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更新日:2022年9月1日



窒素飢餓とは

 

〇C/N比

窒素飢餓についての説明の前に、C/N比について説明します。

C/N比とは有機物などに含まれる炭素(C)と窒素(N)の含有比率のことをいいます。

C/N比が高い場合、その有機物は窒素に比べて炭素が多く含まれていることになり、低い場合はその逆で、窒素に比べて炭素の含有量が少ないということになります。


〇窒素飢餓とは

畑などでの作物栽培を例にして説明します。


作物は窒素・リン・カリウムなどの無機栄養素を土壌内から根っこを通じて取り込み、栄養にします。


こうした栄養素(無機物)があるのは、土壌内に生息する微生物が有機物を分解し、無機物へと変化させているからです。


微生物はこの有機物分解の際に炭素と窒素を消費します。


そのため、分解対象の有機物のC/N比が高い(つまり窒素が少ない)と微生物が分解するために必要な窒素量を得ることができず、土壌内の窒素を使用して分解を行います。


これにより、土壌内の窒素が減少し、作物が十分な窒素を得ることができなくなります。

これを窒素飢餓と言います。


一般的にC/N比がおおむね20以上の場合に窒素が不足するため土壌内の窒素を使用します。



窒素飢餓による水質悪化

 

上記の土壌における窒素飢餓の考えを排水処理に置き換えて考えていきます。

すると以下のような流れで窒素飢餓による水質悪化を招きます。


①C/N比の高い有機物ばかりを含んだ排水が流入

 食品工場などで、単一の製品のみを製造しているなどの理由から、主成分のC/N比が高い食材ばかりを加工している場合などに発生しやすいです。


②窒素不足によって微生物が分解できない

 微生物は分解時に炭素と窒素を消費します。

 土壌において、微生物は有機物から十分な窒素を得られない場合は土壌内から窒素を得ます。

 ※それでも不足する場合は肥料で窒素を補います。

 しかし、排水処理槽内の閉塞した空間では、微生物は窒素を得ることができず、やがて分解することができなくなります。

 

③未分解の有機物が放流される

 窒素不足により、分解しきれなかった有機物は処理されることなく放流されます。


窒素飢餓の改善

 

〇窒素肥料の投入

窒素肥料

窒素飢餓の問題は作物栽培同様、微生物の問題のため、「土づくりの考え方」を流用することができます。


右写真のような窒素肥料はホームセンターなどで買うことができます。


これを定期的に処理槽の川上から投入することで槽内のC/N比が安定し、分解力が向上します。


こうした窒素肥料には窒素以外に繊維系物質が含まれるものも多いため、設備に悪影響がないかを調べるためにも一度小さな水槽等を利用したミニ試験を行ったのちに既存設備での利用を推奨します。


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