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更新日:2022年9月1日


酵素を放出する微生物


微生物の活動

 

微生物は人間と同様、生命活動を行うためには栄養を摂取し、エネルギーを得る必要があります。

そこで、微生物は有機物の分解を行います。

有機物は炭素といくつかの分子が結合しており、分解とはその結合を崩し、2種類以上の簡単な物質に変化させる反応のことをいいます。


微生物はこの分解作用の際に栄養を摂取し、エネルギーに変換します。


微生物はこのエネルギーを使って生命を維持するだけでなく、細胞の分裂を行い増殖します。


微生物と酵素の関係

 

〇酵素とは

酵素による分解

酵素とは生体で発生する化学反応の触媒として機能する分子です。

ここでいう酵素は微生物が体外放出する酵素のことで、有機物の消化をする消化酵素を指します

放出された消化酵素は有機物分解の触媒として使用されます。そのため、分解された有機物は当然別の物質へと変化しますが、それに使用された酵素は物質的な変化はありません。


また、酵素には基質特異性という特徴があります。

基質とは酵素により分解される対象となる物質です。

酵素は様々な種類があり、それぞれ特定の基質のみを分解します。

こうした特徴から鍵(酵素)と鍵穴(基質)の関係などとも呼ばれます。


〇微生物の栄養摂取

微生物には口や胃などの消化器官がありません。

そのため微生物は有機物を体内に吸収して分解することで栄養を得ます。


〇微生物と酵素の関係

上段の通り微生物は有機物を体内に取り込みます(体内吸収)が、複雑に結合した化合物は大きすぎて取り込むことができません。


そのため、取り込めるサイズまで分解してから体内吸収をします。

そこで微生物は酵素を放出します。

酵素を放出する微生物

下図「酵素分解」の例では、酵素によってタンパク質が100万分の1の大きさであるアミノ酸に分解されています。

酵素分解

こうして小さくなった有機物を微生物は体内に取り込みます。

下図「微生物分解」では、有機物を吸収した微生物が分解を行い、水と二酸化炭素を放出してます。

微生物の種類によって、放出する物質は異なりますが、このように微生物が分解を行うことによって、有機物は無機物へと変換されています。

微生物分解

排水処理への応用

 

〇基礎的な応用方法

曝気槽

排水処理設備は排水を浄化することを目的とした設備です。


微生物の分解作用を利用し浄化する方式は古くから採用されており、槽内の微生物の住環境を整えることで微生物分解を活発化させる方式です。


右写真は曝気槽と言い、酸素を好む微生物(好気性微生物)の活動を活発化させるために排水中に空気供給を行っています。


こうした生物を利用した方式や物理的、化学的作用を組み合わせることで、排水は浄化されて河川へと放流されます。


〇従来方式の問題点

基礎的な応用方法は、槽内にいる微生物の働きを促進する方法です。

しかし、これだけでは多種多様な設備への対応は困難です。

それは、微生物の増殖には排水成分、温度、㏗、阻害物質の含有量、酸素量など様々な環境的条件があるからです。

微生物にとっての住環境が悪い場合、酵素を放出せず、分解が思うように行われないことがあります。


そのため定格化された従来の方式では、日々変動のある生産工場などからの排水に対して安定的な生物処理を行うことができないケースが多く見受けられます。


〇安定的に排水を処理するために

生物処理において微生物の消化酵素は必要不可欠です。

しかし上段の通り、消化酵素を放出するための環境的条件が悪い場合は、排水を処理するために必要な酵素量を得ることができません。


そこでメイカムの処理方式では微生物培養装置を現場に設置しています。

培養装置内は微生物にとって最も増殖に適した環境を整えています。

こうして安定的に微生物に酵素を放出させて、「微生物と酵素の複合水」を生成します。


複合水(酵素水)は自動で毎日槽内に注液されます。

培養装置で生成した酵素は秒で数万回という速度で分解を行います。


〇培養装置の特徴

①排水成分ごとに微生物を選定

 排水元の生産物、生産工程などをヒアリングし、最も適した微生物を選定します。


②増産への対応力

 増産などで排水負荷が増加した場合は、酵素水の生成量や濃度を変更することで対応します。


③分解速度の大幅向上

 通常は槽内で微生物が酵素を放出するのを待つ必要があります。

 ※十分に放出できない場合もあります。

 培養装置内でその工程を済ませるため、酵素水を注液した瞬間から分解が行われます。


④阻害物質への対応力

 阻害物質によって微生物は失活します。

 しかし、酵素は生物ではないのでその影響を受けません。

 槽外で予め酵素を放出させていることで、槽内の微生物の失活による酵素不足の発生を抑制します。

排水処理のお悩みはメイカムにご相談を

 

【メイカムとは】

高濃度排水の微生物分解処理を行っている排水処理機器メーカーです。

活性汚泥法の能力を引き上げる「微生物培養技術」の促進によって、多種多様な排水処理のお悩みを解決してきました。


【メイカムにできること】

〇油脂分解処理

「コスト、管理面」の2つの視点から油脂のお悩みを解決します。

メイカムが最も多くのご要望と改善実績を持つ分野です。


〇余剰汚泥分解処理

「汚泥は貯留せずに微生物の栄養として再利用(分解)」します。

新設は汚泥費用ゼロ、改造でも汚泥を大幅に削減した実績が多数。


〇管理環境の改善

油脂や余剰汚泥削減により、「悪臭、配管閉塞、害虫」などのトラブルも同時に解決します。

特に臭気トラブルの改善を主軸にご提案した結果、ランニングコストの削減にも繋がった例もございます。


【まずはお悩みのご相談を】

貴社の設備や生産状況、現状の管理環境さえも考慮に入れて、貴社に寄り添ったご提案をいたします。

まずどのような悩みをお持ちかをお聞かせいただき、共に課題解決に向けた取り組みをさせて頂けたらと思います。


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