- 仲村光明 施工・メンテナンス担当者 2018年入社 平成6年生まれ
汚泥返送の重要性

汚泥返送とは
活性汚泥法では沈殿槽に汚泥が沈殿します。
沈殿した汚泥を放置すると沈殿槽の分離機能に支障をきたすので汚泥を別の槽へと移す必要があります。
これを汚泥の返送と言います。
一般的に沈殿した汚泥は汚泥貯留槽を経由して曝気槽まで送られます。
汚泥貯留槽では、返送された汚泥をため込み、定期的に業者によって汚泥の回収を行ってもらうためにあります。
一般的な設計計算では排水の30~40%ほどを分解処理し、残りをこの余剰汚泥として捨てることによって排水をキレイにしています。
汚泥返送による効果
汚泥は槽内に溜まりすぎてしまえば処分しなければなりませんが、汚泥は微生物の凝集体のため、これを曝気槽などの分解槽に送ることで生物分解の能力を促進する効果があります。
排水の性質上、汚泥が形成しずらい場合は、外部の活性汚泥を投入し分解力を向上させている工場もあり、汚泥の管理によって水質に大きな変動を与えます。
また大きな工場では、余剰汚泥を脱水機にかけた脱水ケーキを自社のプラントに撒き、植物の肥料として使用するなどの取り組みもあります。
汚泥管理の注意点
〇沈殿槽に長期間溜めないこと
長期間酸素の薄い環境に汚泥を置いておくと、汚泥に嫌気菌が繁殖します。
嫌気菌は有毒ガスである硫化水素などを発生させる種類がいます。
こうしたガスを含んだ汚泥は沈降性が悪くなり、水面上に浮かんでしまうので、汚泥の流出を招きます。
しかし、常時汚泥を返送し続けてるのもできる限り避けた方がいいです。
沈殿槽は水面を波立たせない方が沈降性が上がるので、返送の際に発生する水流が汚泥を舞い上げてしまいます。
そのため、返送をタイマーで制御し、流入の少ない時間帯に行うのがよいでしょう。
〇汚泥貯留槽と曝気槽への返送は別ルートが好ましい場合も
上段のように汚泥の放置は嫌気菌の繁殖を招きます。
汚泥貯留槽は固着防止のための微量な酸素供給しか行っていない設備が殆どです。
そのため、活性汚泥に含まれる好気菌の働きが弱まります。
この状態の汚泥を曝気槽へ返送しても汚泥濃度が上昇するだけで、思ったほどの分解力の向上効果を得られません。
したがって、沈殿槽の汚泥を直接曝気槽へと返送することで、活きた汚泥を再利用できます。
※汚泥が腐る前に返送することが条件です。
活性汚泥を全量返送する処理方式
メイカムの処理方式は微生物の培養技術を排水処理に応用しています。
その技術を活かし、活性汚泥を全量、分解槽へと返送して「汚泥の引抜量0」という実績を多数持ちます。

またこの技術が評価され、環境省の実証を頂きました。
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